本人認証と生体認証

生体認証はバイオメトリクスとも呼ばれ、カードの詐欺や盗難、個人情報の保護、そしてまた生活の安全性とも関係して、現在非常に注目されている技術の一つです。

基本的にはこれは、本人認証のための手法の一つといえます。

本人認証というのは、ある特定の個人を名乗る人が、本当にその本人であるかどうか、確認するものです。

そのやり方は何も、生体認証に限定されるわけではありません。

本人でなければ持っていないはずのものの所有を確認する(所有認証)というのも一つの方法です。

いわゆる鍵やハンコというのはその代表的な例です。

キャッシュ・ディスペンサーでは一組のキャッシュカードと預金通帳があれば普通はお金を引き出せますが、これも所有による確認です。

歴史をひもとくと、ある特定の朱印を持つ船(朱印船)にのみ貿易が許される「朱印船貿易」というものが、安土桃山時代や江戸時代初期に盛んになりましたが、これも完全な個人認証ではありませんが、それに近いものといえます。

所有認証の場合、鍵などを盗まれたら簡単になりすましが起こるという弱点があります。

あるものの所有ではなく、記憶によって本人を確認する手法(記憶認証)もあります。

典型的にはコンピュータの利用や特定画面へのアクセスなどを許可する、ID~パスワード・システムがあげられます。

キャッシュカードの暗証番号も宗そうです。

また帰宅時に家族のみ特定のパターンでブザーをならすというのも、これに近いでしょう。

記憶認証の弱点として、パスワードがあまりにも安易(電話番号下4桁など)だと意味がないこと、また暴力や細工によりそれが盗み出される危険もありえること、本人でも忘れる可能性があること、などがあげられます。

本人の身体的特徴で確認する生体認証は、いわば所有認証、記憶認証と並ぶ、第三の本人認証方式です。

身体的特徴というと身体の一部というのが考えられますが、必ずしもそれだけではなく、声や筆跡もそれにあたります。

つまり西洋でよく使われるサインというのもそれによりその場で本人確認をするのであれば一種の生体認証ですし、またグリム童話の「おおかみと7ひきのこやぎ」で、おかあさんだよと偽って家にやってきた狼に対して「声が違う」といって扉を開けなかった子やぎたちが取った行為も、典型的な生体認証なのです。

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